おばあちゃんのこと

おばあちゃん、ついに最期の時間がぼんやりと見えてきてしまっている。

私の祖母はここ10年くらいずっと施設で生活していて、病気と認知症もあるから徐々に様々な機能が衰えてきて、だんだん自分で動くことができなくなってきてた。
自分で食べることができなくなり、寝返りをうてなくなり、汗をかいたりする生命維持の基本的な機能も少しずつ弱くなってきてた。

今年に入って入院した。
中々治らず、結局この先は医療行為が必要になるとのことで、施設を退所し病院での生活になった。

腸がずっと良くならないらしく、色んな方法で回復を試みてくれてたみたい。

先週、いつもおばあちゃんの所にいってくれてる叔母が先生から話をされた。

腸が機能しなくなってしまい、口から栄養を摂ることが、これ以上難しい。
摂っても胃腸症状を繰り返すだけで、本人の体力的にも辛いから。
これから先は点滴だけで栄養摂取をする。
血管も細くなっていてリスクも高いので、末梢血管からの点滴のみ。

だから、あまり長くもたない。

ということだったみたい。

今年の紅葉を見るのは、難しいらしい。

体が衰退してきて何年も見てて、逆に最期が訪れることを考えられなかった。
いつか来る、でもまだ数年後 って。

そう思っていたのは、本当に現実味が湧かないのと、伝えたいことや話したいことがありすぎて、あまり早くにそうなってもらいたくないって気持ちもあった。

今日は初めて病院に行ってきた。
施設にいた時は車しか交通手段がない場所だったから、いつも叔母や誰かと一緒で、おばあちゃんへの色んな想いは閉じ込めて、何も感じないようにしていた。

けど今日はひとり。
思う存分素直に心に思うことを話してきた。
どうしても言いたかったことも言えた。

おばあちゃんは私だって分かってないかもしれないけど、顔を近づけたら目をぱちくりさせた。
懐かしい人の話をしてる時も、ぱちくりさせていた。

きっと何か感じてくれただろうって思うことにした。
分かってくれただろうって。

がんばってほしいけど、無理はしてほしくない。
今はおばあちゃんにしたいこと、できることを少しずつ考えていきたい。